予防歯科の大切さ PREVENTIVE DENTISTRY
歯を失う原因には、大きく分けて虫歯と歯周病があります。その2つを予防するのが予防歯科です。虫歯の直接的な原因は、磨き残しによってたまる「プラーク(歯垢)」です。ご自分で行う歯磨きと医院で行うクリーニングによってこのプラークを除去することで、虫歯を予防することができます。虫歯の菌が出す酸で歯がとけにくくする「フッ素コーティング」や、汚れが溜まりやすい奥歯の深い溝を予め埋めて虫歯を予防する「シーラント」を行うことも虫歯から歯を守るために有効です。
歯周病の原因は、磨き残しのプラークとプラークがつきっぱなしになっていることでプラークが固形化した歯石の2つにあります。歯周病と虫歯では原因が異なりますので、カリエスリスクが低く、虫歯になりにくい方でも、歯周病を予防していかなければ、50代・60代になったときに虫歯はないのに歯周病で歯がグラつくといったことになりかねません。プラークは歯ブラシをあてることで除去することができますが、歯石になってしまうと歯ブラシでは対応できません。
歯科医院で専用の器具を使い除去しない限り、歯石が付着したままになってしまい、ご自身が気付かないうちに歯周病が進行してしまいます。予防において大切なことは、ご自身で行う歯磨きと医院で行う歯石の除去です。医院では、正しい歯ブラシの使い方の指導や、磨きにくい部分の補助的なケアグッズのご案内などのサポートも行っています。
ブラッシング指導
プラーク(歯垢)は細菌の塊で、それをコントロールする鍵となるのがブラッシングです。「もう大人だし歯磨きの練習なんてする必要あるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、磨き残しなくプラークを取り切るのは、私たち歯科医療従事者でも難しいことなんです。歯ブラシだけでなく糸ようじ(デンタルフロス)や歯間ブラシといった補助用具を使うことも重要です。適した補助用具や、その使い方やサイズについてもアドバイスしております。毎日の歯磨きケアで、しっかりとプラークコントロールしていくことが虫歯・歯周病予防のもっとも大切な第一歩です。
歯のクリーニング PMTC
PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で、プロによる専門機器を使用した歯のクリーニングです。歯科衛生士が歯面に付着した歯垢や歯石、着色汚れを徹底的に除去、洗浄します。
PMTCは、虫歯や歯周病の原因菌を除去するだけでなく、お口の中をスッキリと爽快に歯の表面をキレイにツルツルにします。
虫歯の予防
フッ素コーティング
歯をフッ素でコーティングすることで、酸によって一度溶けてしまったエナメル質を再び元に戻し(再石灰化)、エナメル質の結晶構造を変化させ、酸に溶けにくい強い歯にすることができます。
シーラント
虫歯のよくできる部位に奥歯の溝があります。奥歯の溝の深い部分に汚れが溜まらないように、予め樹脂で埋めてしまう予防法がシーラントです。シーラントは、少しずつ虫歯を防ぐフッ素を出す性質の特殊な樹脂を使用しますので、カリエス(虫歯)リスクの低減に効果的です。大人の歯が生えてきた交換期のお子様が適応です。
マタニティ歯科 MATERNITY
妊婦の方がかかりやすい口腔内のトラブルに向き合い、お母さんとお腹の赤ちゃんの健康を守っていく歯科診療です。妊娠中は女性ホルモンのバランスや、つわりなどの影響により、口腔内環境だけでなく、身体面・精神面が不安定になりやすいです。
妊婦さんの口腔内管理の大切さを裏付けることとして、お母さんの虫歯の有無がお子さんの虫歯発生率と深い関連性があることが判明しています。
それは決して小児期に限ったことではなく、お子様が大人になった後でもその傾向は続くのです。お子さんのお口の健康を考慮して、お母さまの口腔内環境を良好にするために、妊娠がわかったら早期にご相談いただき、治療・予防することをおすすめします。
妊娠中に注意すべき
口腔内のトラブル CAUTION
妊娠性歯肉炎、
妊娠性エプーリス特に妊婦初期はホルモンバランスが乱れやすく、歯肉からの出血や腫れが見られることがあります。気づきにくいこともあって悪化させてしまうことが多いです。
また女性ホルモンの影響で免疫力が低下するため、エプーリスが発生しやすいです。エプーリスは、良性の歯肉にできるコブ状(硬さ色とも歯肉と同じ)のものです。通常は次第に小さくなっていきますが、悪影響を及ぼす程大きくなることもありますので、気になる場合はご相談ください。虫歯、歯周病
ホルモンバランスの崩れにより、唾液分泌量が減少、お口の中はねばついて細菌が増殖しやすい環境となります。
つわりによって、口腔内が酸性に傾き歯が溶けて虫歯になりやすい状況になる上に、歯ブラシしようにも気持ち悪くなる方もおり、口腔衛生状態は悪化し、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。早産、低体重児出産
妊婦さんに歯周病や歯肉炎などによる出血があると、歯周病菌が血管内に侵入し、血流にのって全身に回っていきます。その影響で陣痛が促進され、早産や低体重児出産を招くことがあります。
歯周病がない妊婦さんと比べると、7倍とのデータがあり、喫煙や飲酒より大幅に高い率です。
マイナス1歳からの予防
生まれてくる赤ちゃんのお口は無菌状態です。周りの方、特にお母さんから菌が移されていきます。また妊婦さんが歯周病であれば、早産・流産・低体重児出産となる可能性が高まるといわれています。そこで、妊娠中からしっかり治療、お口のケアなどの予防をすることにより、安全な出産とお子さまの健康を守っていくことをお勧めします。
ホワイトニング WHITENING
歯表面の汚れや着色をクリーニングやポリッシングで取り除くことで、本来の歯の色に戻します。前島歯科医院ではエアーフローを使い、着色や張り付いた細菌の塊であるバイオフィルムを徹底的に除去します。
エアーフローについて
エアフロ―は普段の歯ブラシでは落ちない茶渋やタバコのヤニ、コーヒーなどの着色汚れやバイオフィルムが専用パウダーをジェット水流噴射で歯面に吹き付けることで取り除かれます。
歯や歯肉にダメージを与えることなく歯と歯の間や複雑な形状の部分まできれいにできる優れた機器です。その時点で更に白い歯にしたいとの希望がある場合は、歯を削ることなく歯そのものを漂白して白くするホワイトニングという方法があります。
ホワイトニングには医院で行うオフィスホワイトニングと、ご自身でご自宅などで行うホームホワイトニングがあります。ご希望される方の生活スタイルや通勤通学のタイミング、結婚式や講演会の日程などに合わせて検討していただきます。
必要な 時間 | 知覚 過敏 | 色調 調整 | 後戻り | |
---|---|---|---|---|
オフィスホワイトニング | 短い | 出やすい | 難しい | 早い |
ホームホワイトニング | 長い | 出にくい | 可能 | 遅い |
ホワイトニングの流れ FLOW
オフィスホワイトニング
ホームホワイトニング
デュアルホワイトニング
歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、ご自身で行うホームホワイトニングを併用して進める方法です。
イベントなどの予定があり、ご希望の白さに早く達したい方には最適ですが、費用は高くなります。
ホワイトニングに関する注意事項 ATTENTION
- ホワイトニングの適応範囲でない場合は行えないことがあります。
- 薬剤使用に際し知覚過敏や歯肉に刺激を与えることがあります。
- ホワイトニング効果には個人差があります。
- 詰め物、被せ物は白くなりませんのでご注意ください。
- 白さに一時的なムラができるホワイトバンド現象が出ることがありますが、次第に落ち着いてきます。
- 経時的に後戻りが起こります。
- 嘔吐反射が強い方はマウスピースが必要なホームホワイトニングは不向きな場合があります。